こたつは、日本独自の冬の風物詩と言え頭寒足熱(頭を冷やして足を温めるのは体に良い)という漢方の考え方にも沿ったものです。両方のアイデアを取り入れ、勉強や仕事をより快適にするこたつのような商品を作るため、 市場にある暖房商品を調査しました。温度が足りない、使い勝手が悪い、品質が良くないなど様々な不足を感じました。これらの不足を克服し細部まで磨き上げて「北国のこたつ」を完成させました。
製品企画当初では、市場に販売されているパネルヒーター製品は1面式、3面式、4面式及び円筒式のものが中心でした。各種商品の優劣を分析した結果、 最終的に「北国のこたつ」を5面式のデザインにしました。市販のパネルヒーターのデメリットを下記にまとめました。
一面式
- 1面式のパネルヒーターは、主に8~10畳程度の小スペースを暖めるために使用します。 最低でも1200ワットの電気を消費しますし、本体価格も手頃な値段ではありません。
- 低消費電力の機種もありますが、パワー不足により集熱能力低下するため、冬場では十分と言えません。
- こたつのような商品が欲しいですが、1面式のパネルヒーターはこたつのように変身するのは難しい 。
3面式
- 熱が逃げやすいので、毛布と一緒に使わないと、冬では暖かくありません。
- 高温タイプの機種もあるが、消費電力は300Wもある上、局所的にしか加熱できないため、節電効果は十分ではありません。
- 熱い空気は上昇して逃げます。
- 毛布を使っても、熱はふくらはぎに届きにくい。
- 足元には熱が伝わりません。頭寒足熱とは頭を冷やし、足元を温めることですので、足元を温めないと、頭寒足熱と言えないですね。
4面式
- ほとんどの商品は底面も発熱するものの、60%の面積しか暖かくなりません。かかとのあたりが冷たくて困ります。
- 毛布を使っても、風避けできないため、風がある場合寒さを感じます。
- 底面は局部しか温まらないので、かかとが冷たいと感じる人も多いようです。
- ワット数が低すぎて暖房効果がイマイチで、暖かくないという声も多いようです。
- 品質が粗末で、過温対策がされていないことにより、底面が焦げてしまうことがあります。
- 発熱する底面は掃除しにくい素材で、靴を脱いて使うしかないですが、かえって拭き取れない足の汗で汚れてしまいます。
円筒式
- ふくらはぎをカバーできますが、座る姿勢が制限され、楽な座り方は難しいです。
- 組み立てが面倒で時間がかかります。
- 使わないとき、隣に置くだけでは邪魔になるし、収納するにはジッパーを外して巻かないといけないので、特に面倒です。
- 足の出入りはしにくい。足を外に外すときも努力しなければなりません。 特に宅配便の受け取りなど一時的に離れる場合は、不便を感じます。
- リモコンの位置が低く、足を中に入れたら操作できないので、設定変更の際は一度出てこなくてはなりません。
- 付属の毛布は小さくて、あまり質が良くないです。 実際に、毛布は誰でも持っているし、自前のもののほうは断熱効果が高い。 あってもなくてもいいものですね。
- 総じて、パネルヒーターの最大のメリットである収納のしやすさと手軽さを犠牲にした製品デザインといえるでしょう。
「北国のこたつ」は、さまざまな失敗から学び、同類商品を徹底的に研究して開発した、最もこたつらしい一人用のパネルヒーターです。下の図はその見どころをまとめたものです。